232. 参加者みんなで古代文字の写経も 一匡(いっきょう)が交流・光景寺(福島県いわき市)
古代文字で写経するメンバー・一匡(いっきょう)が19日、福島県いわき市の光景寺で開かれた写経の会に参加して交流を楽しみました。写経作品を展示して参加者に紹介したほか、みんなで古代文字での写経体験に挑戦。参加者の名前を古代文字で書く即興パフォーマンスも披露しました。
* 参加者は驚きの声
一匡は東日本大震災を機に写経を始め、社会問題にも関心を持って最近では北海道知床半島の海難事故や保育士の虐待事件などに胸を痛め平和を願って写経しています。写経会での作品展示は10月の龍雲寺以来2回目で、今回は檀家さんら約20人が参加しました。長テーブル7台を使い、巻き物やこれまで書いてきた山積みの写経ノート、さらに今回初めて1000の仏の名前を書いた手作りのお札を展示。ずらりと並べられた作品を目にした参加者は「えっ!これ全部書いたの?」「すごい!」と驚きの声を上げました。「いつから書いているの?」「何て書いているの?」など質問を受けた一匡は丁寧に答えて作品を紹介していました。
* みんなで古代文字で写経
前段、自己紹介を含めてあいさつ。はなのころの代表が団体の活動を紹介し、一匡は写経している思いを語りました。古代文字の写経体験では簡単なゲーム形式にして実施。日常のおつとめに使う『勤行集』の中の「正信偈(しょうしんげ)」の冒頭部分28文字の漢字を、一匡が古代文字で書いた見本を参考にして、参加者一人一人が1、2文字ずつ書いていきました。どの漢字を書くかは、くじ引きで決定。子どもたちは「書けるかな?」と明るい声を上げ、「在」の古代文字に挑戦。くじで「命」を引いた子に、一匡は「この字はいける」と声を掛けていました。
* 独特の筆遣い
大人は「無」「薩」「壽」など難しい漢字に挑戦。古代文字だと現代文字にない「∩」「¥」のような独特な筆使いをするため、「どう書くの?」「こういう字で写経しているんだ」「見た目以上に難しい」などと話して筆を動かします。一匡が書くコツを指南し、うまく書けた参加者は「やったー」と喜び、みんなで拍手。完成した作品を前にみんなで記念撮影し、完成品はお正月にお寺で飾られます。
* 名前を古代文字で書くプレゼント
希望する参加者の名前を古代文字で書く即興パフォーマンスでは、一匡は参加者に囲まれながら一筆。『勤行集』の裏ページに名前を書くと、参加者は「ありがとうございます」と笑顔を浮かべていました。参加者には支援学校の教諭もいて、一匡の作品を驚いた様子で真剣に見ていました。一匡は住職とお寺の名前を書いた色紙をお寺にプレゼント。一匡は今回、書いた文字を初めて額に入れての展示に挑戦。「古代文字で子どもも大人も楽しく触れ合えると分かって嬉しかった」と語り「絵を描いたりする他のメンバーを活気づけるためにもこれからまた色々と書いていきたい」と仲間を思う言葉も。「写経を通して同じ障がいを持つ方を元気にしていきたい」と抱負を述べていました。