アタリメ情報18. 視覚障がい者のガイド歩行を学ぶ・サポーター養成講座
障がい者サポート団体「ATARiME(アタリメ)」(代表は「はなのころ」と同じ)はこのほど、福島県いわき市の常磐公民館で障がい者サポーター養成講座を初めて開きました。参加者は視覚障がい者の外出介助に理解を深め、演習を通して学びました。
* 障がいに理解ある市民を増やす
サポーター養成講座は障がい者の介助技術や知識を身に付けた市民を増やそうと、9月30日に開催。アタリメは今年4月から毎月1回、障がいの有無に関係ないヨガ交流イベントを開催しており、こうした場に参加して障がい者と感動体験を共にしてほしいと呼び掛ける狙いもありました。
* 20人が参加
養成講座には市民20人が参加。中には視覚障がいの方とその親御さんや高校生の姿も。講師は視覚障害リハビリテーションワーカーの小倉芳枝さん(社会福祉法人「東京ヘレン・ケラー協会」)が務めました。前半は座学で基本知識を学び、後半は常磐公民館周辺でガイド歩行の演習も行いました。
* 白杖の役割
座学では、正式名称を「盲人安全つえ」という「白杖」を紹介。役割は①体が物にぶつからないようにする②地面を探る③視覚障がいであるのを周りに知らせる、という3点を挙げました。便利な一方で、心理的な抵抗感から白杖を持つことにためらいを感じる視覚障がいの方も多いと紹介しました。
*白杖を持ったきっかけ
白杖の杖先(チップ)の種類も豊富で、ノーマル、ローラー、ティアドロップなどを実際に見て触れました。アクセサリーやシールでデコアートした個性的な白杖も披露。スポーツメーカー「ミズノ」が開発した機能性を追求し2年間保証も付いた白杖も紹介しました。白杖を持つきっかけのエピソードでは、足元が見えにくいまま歩いていた駅の階段で人にぶつかって転げ落ちたという話、道を歩いていたら子どもにぶつかって転ばせてしまったという話も。大好きな歌手・俳優の「福山雅治のライブに行きたい」という動機で白杖を持つ決心をした話もありました。
* 基本姿勢を学ぶ
ガイド歩行の演習では、参加者が視覚障がい者役と歩行ガイド役の2人1組に分かれました。歩行ガイド役は半歩前に出て、視覚障がい者役にひじをつかんでもらう「基本姿勢」を確認。小倉さんから助言を受け、歩行ガイド役は「サポーターの◯◯です」とあいさつし「右、左どちらの手を誘導しますか?」と尋ねてから基本姿勢を取る一連の流れを練習しました。参加者が「道路を歩く時には、ガイドが車道側を歩くのですか?」と質問すると、小倉さんは「ガイドが勝手に決めるのではなく、周囲の状況を説明した上でユーザーと話し合ってください」と本人の望む歩き方を尊重するよう説明しました。
その後、実際に公民館周辺のアスファルトや砂利道をペアで歩行。ガイド役は「段差がありますよ」「砂利道になりますよ」と声掛け。視覚障がい者役は半歩先を歩くガイド役のひじを持って、ゆっくりと歩を進めました。小倉さんは「段差やスロープなど怖いと感じたら、それは視覚障がい者もそう感じるということ。だから、ガイドが言葉で伝えることが必要」と助言を送っていました。
* 白杖体験にも挑戦
ガイド歩行の後半では、白杖で地面の感触を探る体験も実施。杖の長さや杖先の形によって使い勝手が全く違うということを実感し、道具として使うには選び方や使い方についての情報が大切だということを学びました。
※ サポーター養成講座は令和5年度公益信託駒澤嘉いわき生涯学習振興基金の助成を受けて実施
<アタリメサポーター募集>
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