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投稿:2025.05.06

636. 振り返り評|過去10回の「はなのころパーク」・来場者がたたえ合う雰囲気を生み出し、リピーター増

障がいの有無に関わらない交流イベント「はなのころパーク」(福島県いわき市・毎月開催)が先月4月で節目の10回目を数えました。手探りで始めて一時参加者数が落ちましたが、リピーターが根付いて10回目は過去最多数を更新。障がいを持つアーティストの作品発表やフリートークを中心とした簡易なプログラムながら、これまでの参加者が温かい雰囲気をつくり上げ「また来たい」と思わせています。順調に育っている交流イベントは障がいを持つ作家にとっては互いに刺激し合う場にもなり、障がいがあっても無くても楽しめるムードが醸成されています。当法人理事長の分析です。

 

「パーク」は障がいの有無に関係なく楽しく交流できる場をつくろうと、当法人が去年6月から12月を除いて毎月開催してきました。会場はいわき市の中央台公民館と市文化センター。プログラムには障がいを持つアーティストの作品発表を軸に、ワークショップやフリートークの時間を組んできました。第10回までの参加者数は第1回から順に27人(うち障がい者14人)、27人(同10人)、24人(同10人)、16人(同6人)、24人(同8人)、19人(同6人)、26人(同9人)、32人(同10人)、24人(同14人)、33人(同15人)の計252人(同102人)で平均25人(同平均10人)。年齢層は小学生からお年寄りまで幅広く、障がい児の親子の参加も目立ち、障がいの有無のバランスもいいです。

 

中盤に参加者数は減りましたが、特徴的なのは第4回を除いて毎回初参加者がおり、リピーターが増えて終盤の増加につながっています。中には、第5回から毎回欠かさず郡山市から片道1時間を掛けて楽しみに訪れる方もいます。プログラムに派手な要素はありませんが、登壇して作品を発表する方をみんなでたたえ合い、お互いを受け入れる“文化”が生まれ、この雰囲気が「また来たい」と意欲をかき立てていると分析しています。「作品を発表したい」とこの時間を目標に制作意欲を高めている発表者の声は多く、参加者はその勇気を受け止め拍手で応える場面を毎回見られます。こうしたリピーターを生む雰囲気は、はなのころサポーターズによる根気強い運営の継続と、これまでの参加者が互いをたたえ合ってきた思いによって築き上げられています。

 

作品の展示会で「はなのころ」を知った方が「パーク」に参加したケースもあり、特にご家族が多い印象。作品がご家族の心を動かし、イベントに引きつけているのではと推測します。また、ホームページ、インスタグラムで活動に興味を持って参加したケースは障がいを持つ方に顕著という肌感です。

 

さらに4月6日にオープンした交流ギャラリースペース「はなのころBASE(ベース)」から「パーク」に誘導がうまく機能した手応えも得ています。第10回では「ベース」を初めて訪れたのを機に「パーク」に6人が来場。「ベース」は交流には面積が狭く親密さの場として追求しているため、多数の交流の場として考えている「パーク」への誘導は交流の輪を広げる鍵。今後は逆に「パーク」の参加を機に、もっと親密に交流したい「ベース」への誘導も視野に入れています。

 

これからの課題は、開催を継続するための運営の強固な組織化。さらに、障がい者の発表意欲をより高めるために発表舞台のレベルアップ、時に刺激となるワークショップを入れ込むプログラムの工夫など。だが、一番大切な根幹は障がいの有無に関わらずに参加者同士が楽しくたたえ合える“文化”づくりで、例え地味でマンネリ化しても本質を見失わず、サポーターズや参加者とより良い雰囲気を醸成していきたいです。

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