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投稿:2022.10.04

201. つばさコラム⑦*「あの頃に戻れなくても、近づければいいなと思う」・新作「オータムドレス」

トレースアートデザイナー・つばさのコラム「あの頃に戻れなくても、近づければいいなと思う」。画像は新作の「オータムドレス」(末尾に紹介)。

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私が「人生で一番楽しかったころは?」と聞かれたら、迷わず「大学時代4年間」と答えます。

私は県外の某芸術大学のデジタルグラフィックス科に在籍していました。初めて県外へ出て、初めての1人暮らし。父の勧めで大学のすぐそばのマンションの一室を借り、親元を離れて大学へ通っていました。初めて最低限の家事を全て自分でやり、大学にも通い、お小遣い稼ぎのアルバイトもしていました。母曰く、私は「最初の夏休みで実家に帰って来ると思っていた」そうでしたが、あの頃の私は何か過去の私と違っていたと思います。

毎日が楽しくて、自由で、遅刻したりして責任もついて回ったけれど、それすら楽しかったと思います。お金は奨学金を借りていましたし、親から仕送りをしてもらっていて、アルバイト代は趣味につぎ込んでいました。今思うと勿体ない事をしたなと思います。学科は高度なCGを学ぶのではなく、CGの基礎や、動画編集の基礎を学ぶ内容でしたが、とても楽しく興味深かったですし、4年制大学なので外国語や体育など必修科目もありました。そして何より楽しかったのは13人の学科の同級生たちと過ごした時間でした。男子3人女子10人の人数の少ない学科でしたが、少ないからこそ文化祭などの行事があれば全員参加で出店を出し、その打ち上げと称して飲み会を行ったりもしました。

特に女子10人は仲が良く、1人暮らし組の部屋にて泊りがけでゲームをしたり、鍋パーティーをしたり、アニメを自作しようとしたり、ノベルゲームを作ってみようとしたり……。思いつくやりたいことがたくさんありました。最終的に形にならなくても、とても楽しい時間でした。

最近、あの頃に戻りたい。あの頃の生活を手放さなければよかったのに……と思います。今の私では同じ事は出来ません。病気は治りませんし、朝も起きられないし、仕事にも行けていません。友人たちとは卒業と同時期に私が精神を病んだので疎遠になってしまいました。唯一出来るのは1人暮らしでしょうか?今の私にあの頃の様な家事全部が出来るかどうかわかりません。不安で一歩踏み出せないでいます。

でも、いつか、あの時の様に生きていて楽しいと思える日々がやってきたら、あの日々に近づけたらいいなと思います。

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新作紹介

「オータムドレス」は紅葉をイメージして、配色しました。明るい色にしようと意識して配色を探しました。秋はどうしてもくすんだ色になってしまうのですが、赤や黄色を多用して、空いたスペースは青空をイメージした色を入れる事で、少しでもキラキラした感じに仕上げました。

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