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投稿:2024.12.31

570. 御礼とご報告|第3回はなのころチャリティー作品展

この度は「はなのころチャリティー作品展」(2024年12月14〜22日・福島県いわき市のアートサロンいわき)にご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。2022年に始まった本作品展も今年で3回目を数え、さらに今年11月には特定非営利活動法人(NPO法人)となり、ここまで活動を継続、発展できたのもこれまで応援し育てていただきました多くの皆様方のお陰です。今回も障がいを持つ作家である「はなのころ」メンバーが多くの方々に作品をご覧いただけ喜びと自信につながり、障がいの子を持つ保護者は作品をご覧になって力になっていました。

* 今年1年の振り返り

去年のチャリティー作品展以降、今年は積極的に展示活動を展開しました。1月に北茨城市民病院で作品展を開催したのを皮切りに、いわきアリオス2階のカフェ「ピッケニッケ」閼伽井岳のイベントアリオスでのいわき文化春祭り赤井郵便局飯野八幡宮いわき・ら・ら・ミュウなどを会場に展示。常磐地区のミニシアター「クラモト」ではシャッター画の制作や、作品展イベント出店の機会もいただきました。常磐地区の古滝屋、草野地区のハンバーグ屋「デリカ・カフェ・キバコ」では常設展示の機会をいただいています。

また、小名浜地区の株式会社アムーヴから「障がいの方の作品を借りたい」というご要望をいただき、10月から絵画のレンタルサービスも始まりました。企業側は社会貢献とともに社内が明るくなり、作家は作品発表と収入につながり、「はなのころ」は活動費が得られる仕組みです。

はなのころアパレルブランド「8756(ハチナナゴーロク)」も立ち上げ、収益事業として育てるべく、今年1年地中に根を張るように準備を進めてきました。来年ひと花咲かせ、メンバーや支えてくださっている関係者の喜びに変えたいと思っています。さらに、いわき市石炭・化石館ほるるでは常設物販の場をいただきました。イベントでの出店回数は今年1年で12回を数え、これも支援いただける方々のお陰で積極的に展開することができました。

ご依頼の規模はこのように例年よりも大きくなり、双葉郡の「双葉地方自立支援協議会」からはキャラクター制作を、福島県いわき市のNPO法人ひととそのからはロゴマーク制作チラシデザインの依頼を受けました。またいわきの夏のイベント「いわきフラの日」では公式のぼり旗を制作しいわき駅前やスーパーにも掲示され、多くの市民に見てもらえました。

6月からは交流イベント「はなのころパーク」を開催。月1回、障がいの有無に関わらず楽しく交流できる機会をつくっています。「作品を発表したい」と参加してくれた障がいの方も多く現れ、中には市外から来場した方もいました。この交流は創作の力になったり、元気になったり、世界が広がったりする機会になっています。

* チャリティー作品展

1年の集大成となる「はなのころチャリティー作品展」ではメンバー22人とメンバー候補1人、賛同作家(※記事末尾)が出展。記帳の数から200人以上の来場者がありました。

作品を初めて発表したメンバーのAYAは保護者と支援学校時代の恩師と一緒に来場。来場者に一生懸命自身の作品を紹介する場面も。目の前で買い手が現れ、その場に居合わせたみんなで拍手が送られると、AYAは何が起こったか分からないような驚いた表情を浮かべ、デビューを飾りました。

試練を乗り越えたメンバーも。ちゃ太郎は勇気を振り絞って出展。これまでの苦労を知る親戚が来場し、作品を見るや目頭を熱くさせ、作品の詩画を見ながら涙をぬぐっていました。期間中「私の作品は売れなくて価値がない」と悲観していたちゃ太郎でしたが、買い手が現れた報告をすると喜びに。「お礼の手紙を渡してほしい」と、車いすで来場できないちゃ太郎に代わりお母さんからメッセージを託され、無事に買い手に手渡せました。

市外からも多くの方々が訪れました。遠くは長野県から応援に駆けつけた来場者も。関係者の知り合いで、「はなのころ」の活動を作品を通して感じていただけました。郡山市からはメンバーの茶々丸あおいはが来場。茶々丸はご家族と一緒に訪れ、賛同作家からエールを受ける場面もありました。須賀川市からは、2022年にあおいはがオリジナルキャラを制作した「須賀川市訪問リハビリ研究会」のメンバーが来場。キャラ制作のご縁を大切にしていただき「あおいは推しです」と、あおいはのイラストもご購入いただきました。田村市からはジャンボさかえを支援する福祉関係者が来場し、会場の様子を本人に伝えようと作品の写真を撮影したり、グッズを購入していただきました。

さらに「インスタで見た」と、障がい児を持つ親子連れも来場。作品をご覧になって喜んでいただき、会場に居合わせたAYAのお母さんとも子育ての話で盛り上がり「分かる分かる」と苦労を分かち合っていました。このほか、多くのメンバーが来場。その場にいた来場者から、作品をほめていただいたり、「頑張ってね」と励ましの言葉を受けたりする場面もありました。

メンバーを除く出展いただいた賛同作家からの全作品売上350,850円から寄付金105,255円が集まりました。また募金箱の募金額は17,790円でした。これらのお金は作品展の開催経費と今後の活動費に充てさせていただきます。皆様が託していただいた思いを忘れず、これからも障がいの方々に夢をお届けするのが恩返しと肝に銘じて精進して参ります。この度は誠にありがとうございました。

* 来年の課題

皆様のご支援で活動が大きく広がっている一方、課題の一つが組織化。作品展示などご依頼を受けてもマンパワー不足で応えられない状況もあり、なんとかチームで取り組める体制づくりが急務です。その意味でもNPO法人化を目指し、今年1年準備を進めてきました。11月に法人登記が完了。さらに今月にはテナントを借り、交流ギャラリー兼事務所を想定してオープン準備を進めております。これからさらに大きなチャンスをつかめるよう、障がいの方々が大きな夢を持てるよう、本年度中に組織の土台を固め、来年度、事業を一気に花開かせたいと意気込んでおります。それにはまだ試練は続きますが、引き続き、皆様のご支援をいただけましたら幸いです。

今年も応援、誠にありがとうございました。

2024年12月31日
特定非営利活動法人はなのころ
理事長・西山将弘

 

※今年の賛同作家(五十音順・敬称略・2024年12月14日現在):
会田光子(絵画) 、安斉重夫(鉄の彫刻)、安斉タツ子(詩画)、賀澤宏子(フェルト手芸)、菅野博子(カレンダー)、草野恵久子(絵画)、草野輝美(アクセサリー)、小林工悦(日本画)、齋藤弘美(絵画)、斉藤広実(絵画)、坂内宏年(動物木工)、坂内ゆき子(着物リメイク)、佐藤界(陶芸)、佐藤みち子(ガラス)、佐藤康子(陶芸)、清水郁子(バッグ)、下山田晴彦(版画)、鈴木儀一(絵画)、高羽博樹(切り絵)、高羽美智子(アクセサリー)、高山恵美子(アクセサリー)、粒来重人(絵画)、鶴見真佐子(絵画)、新谷窯(陶芸)、箱崎りえ(陶芸)、幡野ゆり(龍画)、濱田正弘(水彩)、堀池都子(ステンドグラス)、まちこkinder(羊毛フェルト)、水野和江(小物アクセサリー)、水野春子(手芸)、水野秀紀(工芸)、宮本桂子(パッチワーク)、吉田健二(木工スプーン)
特別賛同(同):安部直人(銅版画)

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第3回の開幕記事>>>
第2回作品展の報告>>>
第1回作品展の報告>>>

<第3回の主な展示作>
                               

<会場の様子>
     

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