229. てつやが描いた10万円の油絵「hobby」 売れました・はなのころチャリティー展
福島県いわき市のアートサロンいわきでの「はなのころチャリティー小品展〜春待つ」が12日に最終日を迎え、10万円に値付けしたtetsuya(てつや)の油絵「hobby(ホビー)」が売れました。かつて住んでいた思い出の部屋を細かい描写で表現した作品。購入者は昭和の郷愁を感じて貧しかった頃の部屋を思い出したと決断。てつやは「死ぬまで絵を描く」と静かに喜びを噛み締めていました。
てつやはいわき市民美術展覧会(市美展)の最高賞受賞者。押し入れに入れたままの絵を飾る機会に飢えていた時期に「はなのころ」に加入し、その後、老舗旅館「古滝屋」やイタリアンレストラン「テラッツァ」(いずれも福島県いわき市)で作品を展示し、「いわきオートキャンプ場DAN〜煖〜」で壁画を描くなど活動してきました。肉体的に苦しい仕事をしながら絵を描く葛藤の時期もありましたが、市美展受賞作を除きてつやの過去最高の販売額を記録しました。
購入した夫婦は11日に来場して作品を鑑賞。1階に飾ってあった「hobby」を吹き抜けで見通せる2階から見下ろし、「あの絵好きなんじゃない?」と言う奥さんに、旦那さんが「そう思っていた」と答えたといいます。一晩検討し、最終日に再来場して購入していただきました。昭和のような郷愁を感じて貧しかった頃の部屋を思い出したという旦那さん。趣味のギターが描かれていたのもこの絵に惹きつけられた理由で、てつやと趣味の話に花を咲かせていました。
「hobby」はてつやが市美展で最高賞を受賞した後の2015年ごろ、「もう一度賞を取ろう」と描き続けていた時期の作品。3歳から住んでいた今は無き家の、思い出が詰まった自分の部屋をモチーフにしました。釣り道具やギター、絵など好きな趣味が画面にあふれ、描写は細かく、散乱しているようで作品としてまとめた巧みな構図で描かれています。
次の市美展に向けて作品の仕上げに追い込み中のてつやは喜びを噛み締め、さらに気合いが入った様子。「俺は死ぬまで絵を描きます」と生きがいを再確認し、燃えていました。