236. 御礼とご報告・はなのころチャリティー展
「はなのころチャリティー小品展〜春待つ」(2022年12月3〜12日・福島県いわき市のアートサロンいわき)にご来場いただきました皆様、この度は誠にありがとうございました。当団体「はなのころ」のメンバーの作品をご覧になっていただけたことで、お陰様でメンバーの喜びと自信に繋がりました。
今回の作品展の副題「春待つ」は冬の季語で、春の訪れを願う気持ちを意味します。障がいを抱えていてもメンバーが才能を開花させられる日を願い、冬の寒さに負けずに地道に力をつけてほしいとこの副題を付けました。その思いの通り、メンバーは自身の絵を人に見てもらう喜びを体験で味わえ、来場者と交流もでき、また次のステップに前進する力になりました。
さらにこの度、メンバーを除く出展にご賛同いただいた作家の皆様(※末尾にお名前)の全作品売上が463,630円に上りました。チャリティーの目的に沿い、ご厚意でその一部から寄付金99,126円を拝受いたしました。また会場に設置した募金箱の募金額は4,654円でした。これらの善意は今回の作品展の開催経費のほか、メンバーの可能性を広げるための活動費に充てさせていただきます。皆様が託していただいた思いを忘れず、ご恩をお返しする意味でもいいご報告ができるように精進して参ります。この度は誠にありがとうございました。
今回のチャリティー展では多くの思い出ができました。えむえむは自分の作品が飾られたのが楽しみで休館日も来場するほどで、通所日以外は毎日会場に足を運んでいました。かつてお世話になっていた事業所の職員が応援に来場した際は、えむえむは「自暴自棄だった時もありましたが、今は生きがいを感じています」と胸を張っていました。ゆずゐは祖母と会場に2度訪れ、値付けした5作品が完売。自分の作品に自信が持てないとも話していましたが、完売の吉報を受けて泣き叫んだといい、祖母も「堂々と生きていいんだよ」と泣いて話していたという知らせを受けました。作品を購入できなかった来場者もおり、今はその方に向けて作品を描いています。
tetsuya(てつや・松澤哲也)は「絵を飾りたい」と今年5月に加入し、いずれも福島県いわき市の老舗旅館「古滝屋」やイタリアンレストラン「テラッツァ」で飾り、いわきオートキャンプ場DANでの壁画制作を経て今回の展示会に挑みました。活動していなければ押し入れに眠ったままだった大作が10万円で売れ、本人は「俺は死ぬまで絵を描き続ける」と燃えていました。櫻井智美は横浜市在住で来場できませんでしたが、代表作の「チューリップの咲く横浜公園」を入り口に飾り、見た人は「花が無くてもこの絵があるから明るくなる」といい、いわき市の芸術界の重鎮は数あるグッズの中から櫻井智美の缶バッジを選んでバッグに付けると笑顔になられていました。櫻井智美は最近制作の方はスランプ気味の連絡を受けていますが、また新作を届けてくださることと思います。
碧は会期前の作品展示準備に来場し、他のメンバーから「素敵な絵だね」と声を掛けられて笑顔になり、付き添いの施設の職員が「こんな笑顔を久しぶりに見た」と驚いていました。碧は不調で来場できませんでしたが、ご家族が来場して作品を前に記念写真を撮影してみんな喜んでいました。外出するのが難しくとも、作品を通して大きな一歩を踏み出しました。
来場者には、障がいを抱えた孫がいるおばあさんがいました。「学校に馴染めない」と悩んでいる様子でしたが、メンバーの作品を見て「すごい。こんなにすごいことができるんだ」と笑顔になっていました。メンバーが通っている事業所の職員や仲間のご利用者様も訪れ、メンバーは一人ではなく応援者がいると実感できました。
今回のチャリティー展は皆様のお陰で福祉的にも収益的にも成果を上げることができました。会場の「アートサロンいわき」にも大変お世話になり、出展作家へのお声掛けや運営のお手伝いをいただきました。また会期中に会場スタッフとして作家・関係者の有志にもご協力をいただきました。成功を支えていただいた皆様に改めて感謝を申し上げます。私一人ではメンバーに喜びと自信を届けることはできませんでした。
メンバー一人でも才能を開花させ、夢を咲かせられるよう今後とも精進して参ります。今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします。
※出展に賛同いただいた作家(五十音順・敬称略)
会田光子(絵画) 、安斉重夫(鉄の彫刻)、猪狩泰人(陶芸)、石川貞治(絵画)、江尻るみ子(絵画)、遠藤博子(手芸)、遠藤正頼(絵画)、賀澤宏子(クラフトかご)、草野輝美(クラフト)、小林工悦(日本画)、坂内宏年(動物木工)、坂内ゆき子(着物リメイク)、佐藤界(陶芸)、鈴木儀一(絵画)、高萩きよ子(絵画)、高羽博樹(切り絵)、高羽美智子(小物アクセサリー)、高山恵美子(小物アクセサリー)、粒来重人(絵画)、鶴見真佐子(絵画)、仁平猛(横笛)、箱崎りえ(陶芸)、濱田正弘(水彩)、藤田邦弘(絵画)、水野和江(小物アクセサリー)、未来野ひかる(工芸アート)
2022年12月27日
はなのころ・代表
西山将弘